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精神科医は何をしてくれるか―何をしている、何ができる (ブルーバックス)
安藤 春彦

定価: ¥ 861
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人気ランキング: 363498位
おすすめ度:

発売日: 1996-11
発売元: 講談社
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社会の精神科に対するイメージは決してよいものではない。衝撃的な犯罪事件が起これば、精神科への通院歴がさも重大なことのように話題にされる。精神科にかかることへの偏見、不安感は払拭されるどころか、さらに強まりつつあるのが現状だろう。精神科医がどのような病気を対象とし、どのような治療をしているかについての正しい情報が少ないことが、この現状を生み出す一因との考えに基づき、それを一般の人向けに分かりやすく解説するのが本書である。前半は精神病、神経症というそれぞれの精神障害の具体的な実例や、その原因と実際の治療の説明が中心となる。後半は多少散漫な印象があるものの、増加する老人痴呆、精神障害と法律の関係、精神科医の特徴など、精神医療とその周辺についての話題は興味深い。精神科医にもさまざまなスタンスがあるが、著者は精神医学を科学として確立することや、精神科の専門性に重きを置いている。そのため、精神障害の原因については、臨床心理士が扱う心理的因果関係よりも、素因など遺伝に重きを置く立場からの説明が充実している。興味のある方は、類書を読み、各々の精神科医のスタンスの違いを比べてみることをおすすめする。(山下聖隆)
昔読んだ本
内容は精神医学の入門的な事と、精神科医という職業につく人の心性についてのことの2つにまとめれる。前者はその他のテキストと変わりは無いのだが、この本のタイトルにもなっているように精神科医について描かれている本は珍しいと言える。「精神科医になる人は、変わり者で、世捨て人のような印象を受ける。また自己顕示的な人は少なく、患者の苦悩を共にして行き、弱者の見方である事に生き甲斐を感じる人。」と言うように要約できる。さらに「精神科の医師の自殺率は他の科よりも統計的に高い」という事は妙になるほどと思ってしまう。これだけ見ると臨床心理士も同じような感じである。
しかし、その他に精神科医と臨床心理士についての違いにも触れられている。その違いは臨床心理士は心理上の問題だけを見、理論を患者に当てはめる演繹的な思考をするが、精神科医は心理上の問題プラス生物学的な見方もしており、患者の実態をあるがままに見て解釈を避けようとする帰納的な思考をする事である。このことは心理学出身者に特に気をつけたい事であると思う。我々の学習はまず統計学的な考えや、精神分析、行動主義のような理論体系をマスターした上でカウンセリングをはじめる。本当は存在しない観念ばかりを追っていると目の前にいる人あるがままが見えなくなる恐れがある。これだけは避けたいと思う。
精神科医って、
どういう仕事をしているのか一般の人には全く分からない。
この本は、精神科医ってどういう人たちで、どういう仕事をしているのかをサッと知るにはいい本だと思う。
ヒトの心というのは、「知・情・意」の三つに分けて考えると分かりやすいというのはナルホドなあと思った。知能障害の人にもすばらしい芸術作品を作る事ができる人もいれば、相当なインテリだけれども絵とかまるでダメな人もいる。知能も感情も十分高いのに、意欲が乏しくて引きこもりの人もいる。知能は人並みだけれども、感情が豊かで社交的で人気者になるひともいる。研究能力というのは「知」はもちろんだけれども、それよりも「情(感性)」とか「意」の問題が大切だというのはそのとおりだと思う。東大とかを出た人が必ずしも「いい研究者」になれるわけではない。
精神科医と心理臨床士というのは世間的にはごっちゃにされがちだけれども、明確に区別するべきだと筆者は主張している。自分の理解としては、精神科医は躁鬱病とか分裂病とか器質性の病気に対して投薬などで治していく仕事、心理臨床士は心因性のものに対してカウンセリングを通して治していく仕事ということだろうか。
ところで、精神科医は催眠療法などは使わないと断言している点は本当なんだろうか。昔、精神科医の人が書いた自己暗示の本を読んだような気がする。
この本にも所々に書いてあるけれども、精神医学というのは医学界では“下”に見られるようなところがあるらしい。あんなのは医学ではない、ということだろうか? 精神病の原因も分子レベルで解明されつつあるし、これからは心の健康というのはますます重要になってくると思うから、日本の精神医学の発展を期待したい。
正しい精神医療を知ることができる
精神医療の実態を、よくつかむことができる本だと思う。
特に、前半に実例が多く使われているのは非常におもしろい。
ただ、後半部分の記述には、催眠など役に立たないとか、
あまり明確な根拠なしに意見を述べている部分が見られ、少し気になる。
何をしてくれるか、と言うよりも、
何ができないのか、何をしてくれないのか、などという読み方をすると
おもしろいのではないかと思う。








